田中紳顕
警視庁は12日、特殊詐欺の手口で、東京都港区のひとり暮らしの80代の女性が金の延べ棒約4キロ(約3千万円相当)と現金60万円をだましとられる被害に遭った、と発表した。
麻布署によると、女性の自宅に7日午後11時ごろ、息子をかたる男の声で電話があった。電話の人物は「印鑑などが入ったかばんをなくしてお金をおろせない。お金を貸してくれないか」などと言った。男は息子の名前や職業を把握していた。女性は話を信じ、自宅に金の延べ棒を保管していることを伝えた。
約1時間半後、息子の職場の関係者を名乗る若い男が自宅に現れた。電話をつないだままにしていた「息子」から「代わりに渡してくれ」と言われ、女性は金の延べ棒と現金を若い男に手渡した。
1時間ほど後、女性が息子に電話をかけて被害が発覚したという。
こうした被害を防ぐため、警視庁は、電話に出ず、留守番電話機能を使う▽録音メッセージで用件を確認してかけ直す▽親族を名乗る人物から電話で現金を求められたらいったん電話を切り、普段から使っている電話番号にかけ直す――などを呼びかけている。(田中紳顕)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル